「ピラティスは難しい」は、本当?マシン、マットを有効活用しよう

 

ピラティスに対して「動きが難しそう」「きつそう」といったイメージを持つ人は少なくありません。
確かに、ピラティスの特徴である体幹のインナーマッスルや背骨を意識した動き、独特の呼吸法は、初心者にとって難しく感じられる側面があります。

しかし、それは効果を最大限に引き出すための重要な要素です。
正しいやり方やフォームを理解し、自分のレベルに合わせてマシンやマットといったツールを有効活用することで、誰でもその奥深さと効果を実感できます。

 

ピラティスが「難しい」と感じてしまう4つの理由

ピラティスを始めたばかりの人が「難しい」「自分には合わないかもしれない」と感じてしまうのには、いくつかの共通した理由が存在します。
普段の生活では意識しない体の使い方や呼吸法に戸惑うのは自然なことです。
なぜ難しく感じるのか、その具体的な原因を知ることで、乗り越えるためのヒントが見つかります。

ここでは、多くの初心者がつまずきやすい4つのポイントを解説していきます。

 

独特な動きや姿勢をキープするのが大変

ピラティスには、日常生活では行わないような、背骨を一つひとつ丁寧に動かしたり、手足をゆっくりとコントロールしたりする独特な動きが多く含まれます。
これらの動きは見た目以上に体幹の筋力を必要とし、正しい姿勢を保ちながら行うことで体に適切な負荷がかかります。
特に、お腹を薄く保ったまま手足を動かすといった動作は、インナーマッスルが十分に機能していないと姿勢が崩れやすく、難易度が高いと感じる原因になります。この繊細な体のコントロールを習得する過程が、難しさの一因です。

 

胸式呼吸のリズムに慣れるまでが難しい

ピラティスでは、交感神経を優位にし、体を動かしやすくする胸式呼吸という呼吸法が基本となります。
これは鼻から息を吸って肋骨を左右に広げ、口から息を吐きながらお腹を締めていく呼吸です。多くの人が日常的に行っている腹式呼吸とは異なり、動きと呼吸のタイミングを合わせる必要があるため、初心者は混乱しやすいポイントです。

動きに集中すると呼吸が止まってしまったり、呼吸を意識すると動きが疎かになったりと、両立させることに難しさを感じます。
この独特な呼吸に慣れるまでには、ある程度の練習が必要です。

 

普段使わないインナーマッスルへの意識が届きにくい

ピラティスの目的の一つは、体の深層部にあるインナーマッスルを鍛え、体の安定性を高めることです。

しかし、これらの筋肉は普段意識して使う機会がほとんどないため、「お腹の奥を締めて」「骨盤を安定させて」といった指導を受けても、具体的にどこに力を入れればよいのか感覚を掴むのが困難です。
アウターマッスルのように筋肉の動きが見えにくいため、正しく使えているかどうかが分かりにくく、効果を実感するまでに時間がかかることもあります。
この感覚を養うプロセスが、初心者にとって一つの壁となります。

 

体の硬さが原因で正しいポーズがとれない

体の柔軟性は、ピラティスのポーズを正しく行う上で影響を与える要素です。
例えば、股関節や肩関節、背中などが硬いと、手足が指定の位置まで伸びなかったり、背中が丸まってしまったりして、理想的なフォームをとることが難しくなります。

無理にポーズをとろうとすると、本来使うべきではない筋肉に力が入ってしまい、効果が半減するだけでなく、体を痛める原因にもなりかねません。
インストラクターがわかりやすく代替案を示してくれても、周りと比べてできないと感じ、難しさや焦りを覚えることがあります。

 

 

ピラティスの「難しい」を乗り越えるための実践ポイント

ピラティスの難しさは、いくつかのポイントを意識することで着実に乗り越えることが可能です。
特に初心者の方は、最初から完璧を目指すのではなく、基本的な事柄から一つずつ習得していく姿勢が大切です。

ここでは、ピラティスを無理なく継続し、その効果を実感するために役立つ具体的な実践方法を紹介します。
焦らず自分のペースで取り組むことが、上達への一番の近道となります。

 

まずは呼吸の練習から始めてみる

動きと呼吸を同時に行うことが難しいと感じるなら、まずは呼吸単体の練習に集中することをおすすめします。

レッスンが始まる前の数分間や自宅で、仰向けになって膝を立て、リラックスした状態を作りましょう。
両手を肋骨のあたりに置き、鼻から息を吸ったときに肋骨が左右に広がる感覚、口から吐いたときにお腹が薄くなっていく感覚を、手で確認しながらゆっくりと繰り返します。

この練習を重ねることで、無意識に胸式呼吸ができるようになり、動きの質も向上します。
わからない点はインストラクターに積極的に質問し、正しい感覚を掴むことが重要です。

 

正しいフォームは動画や鏡で細かくチェックする

自分の動きを客観的に見ることは、フォームを改善し、上達を早めるために非常に有効です。
スタジオに大きな鏡があれば、インストラクターの動きと自分の動きを常に見比べ、細かな違いを修正する癖をつけましょう。

自宅で練習する際には、スマートフォンなどで自分の動きを動画で撮影してみるのも良い方法です。後から見返すことで、自分では気づかなかった体の癖や、意識が抜けやすい部分が明確になります。どのレベルの練習者にとっても、自分の体を客観視する機会を持つことは、質の高いトレーニングにつながります。

 

無理せず自分のレベルに合ったレッスンを選ぶ

多くのピラティススタジオでは、初心者向け、中級者向けなど、経験や体力に応じたレベル別のクラスが設定されています。
最初から難易度の高いクラスに参加すると、動きについていけずに自信をなくし、挫折の原因になりかねません。

まずは「ビギナー」「入門」といったクラスを選び、ピラティスの基本的な動きや体の使い方、呼吸法をじっくりと学びましょう。
基礎が身につけば、徐々に応用的な動きにも対応できるようになります。マットとマシンを併用するなど、自分にとって最適な学習環境を見つけることも大切です。

 

すぐに効果を求めず、継続することを目標にする

ピラティスによる体の変化は、数回のエクササイズで劇的に現れるものではありません。
インナーマッスルを意識する感覚や、体の正しい使い方を脳と体に覚えさせるには、ある程度の時間と反復が必要です。最初のうちは目に見える効果が感じられなくても、焦らないことが肝心です。
「先週より少し楽にポーズがとれた」など、自身の小さな変化を認め、楽しむ姿勢がモチベーションを保つ秘訣となります。
まずは週に1回など、無理なく続けられるペースを見つけ、長期的な視点で取り組むことを目標にしましょう。

 

初心者にはどっちがおすすめ?マシンとマットピラティスの違い

ピラティスには、専用の器具を使って行う「マシンピラティス」と、マットの上で自重を利用して行う「マットピラティス」の2種類が主です。

これから始めようとする初心者は、どちらが自分に適しているのか迷うかもしれません。それぞれに異なる特徴とメリットがあり、どちらが良いとは一概には言えません。
ここでは、両者の違いを比較し、それぞれの魅力について解説します。自分の目的や体力に合わせて選ぶ際の参考にしてください。

 

マシンの補助で正しいフォームを習得しやすいマシンピラティス

マシンピラティスは「リフォーマー」や「キャデラック」といった専用の器具を使用します。
これらのマシンにはスプリングやバーが付属しており、体の動きをサポートしたり逆に負荷をかけたりすることができます。このサポート機能により、筋力がまだ十分でない初心者でも正しいフォームを保ちながらエクササイズを行うことが可能です。

また、負荷を細かく調整できるため、個人の体力やその日のコンディションに合わせたトレーニングができる点も大きなメリットです。
体の使い方を正確に学びたい初心者にとって、マシンは非常に有効なツールとなります。

 

自宅でも挑戦できる手軽さが魅力のマットピラティス

マットピラティスの最大の魅力は、マット1枚あれば場所を選ばずに実践できる手軽さにあります。スタジオでのグループレッスンも多く、比較的リーズナブルな価格で始めやすいのも特徴です。
エクササイズは全て自分の体重を負荷として行うため、体の隅々まで意識を向けてコントロールする能力や、体幹の強さが求められます。

そのため、マシンピラティスに比べて難易度が高いと感じることもあります。
スタジオでマシンと併用し、学んだことを自宅のマットで復習するなど、ライフスタイルに組み込みやすいのが利点です。

 

難しさを乗り越えた先に待っている嬉しい体の変化

ピラティスを始めた当初に感じる「難しい」という壁は、継続することで必ず乗り越えられます。
そして、その先には心身に訪れる多くのポジティブな変化が待っています。単に体重を減らす、筋肉をつけるといった目的だけでなく、体の機能そのものを向上させ、日常生活の質を高める効果が期待できます。
ここでは、ピラティスを続けることで得られる、代表的な3つの嬉しい体の変化について具体的に紹介します。

 

姿勢が整い、体のラインが美しくなる

ピラティスは、体の中心にある背骨や骨盤を正しい位置に整えながら動くことを重視します。
継続することで、体幹のインナーマッスルが天然のコルセットのように体を支えるようになり、無意識のうちに美しい姿勢を保てるようになります。

猫背や反り腰、巻き肩といった姿勢の崩れが改善されると、見た目の印象が大きく変わるだけでなく、ぽっこりお腹の解消やヒップアップにもつながります。結果として、全身のバランスが整い、しなやかで美しいボディラインへの変化が期待できます。

 

体幹が安定し、日常の動作が楽になる

体の幹となる部分が安定すると、手足など末端の動きがよりスムーズで効率的になります。ピラティスによって体幹が強化されると、体の軸がしっかりするため、長時間立ったり歩いたりしても疲れにくくなります。また、重い荷物を持つ、階段を上り下りするといった日常の何気ない動作が楽に感じられるようになるでしょう。

バランス能力も向上するため、つまずきにくくなるなど、怪我の予防にもつながります。このように、日常生活のあらゆる場面でパフォーマンスの向上という変化を実感できます。

 

集中力が高まり、心身ともにリフレッシュできる

ピラティスでは、呼吸と体の微細な動きに深く意識を向けることが求められます。このプロセスは「動く瞑想」とも言われ、エクササイズに集中することで頭の中の雑念が払い清められます。レッスンを終えた後には、体が引き締まる感覚と同時に、心がすっきりとリフレッシュされるのを感じるはずです。

この集中する習慣は、仕事や勉強など日常生活にも良い影響を与えます。継続することで自律神経のバランスが整い、精神的な安定やストレス軽減といった心へのポジティブな変化ももたらします。

 

 

まとめ

ピラティスが難しいと感じられるのは、インナーマッスルへの意識や胸式呼吸といった、他のエクササイズにはないメソッド上の特徴があるためです。
しかし、これらの要素こそが、体の深層部から変化をもたらすピラティスの効果の源泉です。初心者がつまずきやすいポイントは、正しいアプローチで練習を継続すれば必ず克服できます。

体の使い方をサポートしてくれるマシンピラティスから始めるのも良い選択です。
難しさの先にある、姿勢の改善や心身の調和といったピラティスの特徴的な恩恵を実感するために、焦らず自分のペースで取り組んでみてくださいね。

 

 

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【著者情報】

東田 雄輔

– 資格

・NSCA-CPT(全米エクササイズ&コンディショニング協会認定パーソナルトレーナー)
・JATI-ATI(日本トレーニング指導者協会認定トレーニング指導者)
・NASM-PES(全米スポーツ医学協会認定パフォーマンス向上スペシャリスト)
・NASM-GFS (全米スポーツ医学アカデミー認定ゴルフフィットネススペシャリスト)
・IASTM SMART TOOLs
・PRI Postural Respiration 修了
・PRI Pelvis Restoration 修了
・PHI pilates ACTs

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